マッチ売りの少女と死神さん
第7章 1月3日…ただ触れていたいから
ホーリーは他の女性を厳密には知らないが、古今東西、男女の取り合わせを観察するに。
サラは体型の割には奥行きがあるとホーリーは思っていた。
それでも彼女の子宮口はまだ下がりきってはいない。
切っ先の括れが後退するたび、サラのお尻の下のシーツに、新しく盛り上がる体液が次から次へとこぼれ落ちていく。
「あっ奥…だめ、え…っ」
首をすくめるサラを追いかけたホーリーが彼女の耳元で意地悪く囁きかけてみる。
「駄目じゃないの、もう知ってるよお?」
「ああだって…っ、おかしく…なっちゃ」
「おかしくなろうよ、さっきよりも?」
サラの耳たぶを彩る、光に透ける金色の産毛が目に付いた。 彼女の肌をもっと真っ赤に染まらせて粟立つこれを口に含みたい。 そんな夢想に彼の気が逸れた。
「そ、そしたら。 私は今、ホーリーさんのお嫁さん、ですね?」
「へ?」
唐突なサラの発言にホーリーの動きが止まる。
「そんな姿を他人に……見せるのは多分、私は旦那様だけだと……思いますし、私はじきに、15歳です」
「……この悪魔め」
「え?」
サラは一応さっきの話を聞いてはいたらしい。
(そんなかわいい発想がどこからでてくるのかなあ)
傍から見てたら一笑に付して終わる、ホーリーにとってそんな発言なのだが、サラの口から言われると。 それに、誰が死神の妻なんかになりたいと思うんだろう。
ホーリーは柄にもなく自分の顔が熱いのに気付いた。
「ホーリーさん……?」
他人からの好意という耐性が、ゼロを振り切りマイナスのホーリーはこの話の続きをしたくなかった。