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マッチ売りの少女と死神さん

第9章 1月3日…お別れの調ベ 後編



────僕は黒い石の床にね、ピアノを描いたんだ。
それと同じように頭の中で何度も君を抱いたよ。


サラは物悲しい気持ちになった。
これまで聞いてきた断片的な彼の言葉を繋ぎ合わせると、彼は向こうの世界では一人っきりに違いないと思ったからだ。
どれだけの間、彼は一人でいたのだろう? サラは彼に聞くのが怖かった。
そしてこれから先、ホーリーは何年生きるのだろう。

そんな所に自分は帰って欲しいと言ったのだ。

「ホーリー…さん。 あの……好きにしていいですよ」


────ん? どういう意味。


「もっと……たくさん、激しく、とか」


────止めた方がいいと思うけどお。 サラちゃんって結構、喘ぎ声大きいし。


「そんなこと……あン!」

不意打ちで胸先を指できゅっと挟まれ、サラは慌てて口に両手のひらを当てた。
背後から聞こえる低くこもる笑いと背中に伝わる細かい振動に頬を染める。


────僕は大好きなんだけどね。 ほらすぐ硬くなる。 もう少しだけいい?


「ん……ふッ」

さっきと角度が異なった。
どちらかというと上から打ちおろすような。
竿の裏側の膨らみがサラのお腹の内側を擦る。
それが途中で軌道を変え、気持ちいい場所を小突いては離れる。

「待っ、それ、ダメ」

数度突かれたピストンは刺激が強過ぎた。

(おっきい声、出ちゃうっ…!)

前のめりに突っ伏したサラはブルブル全身を戦慄かせ早々に根を上げた。


────やっぱり?
ここじゃマズいもんねえ。


浅い場所をくちゅくちゅ行き来し、代わりに足の間に差し込まれた彼の指先がサラの花芯をくちゅくちゅ扱く。
今にもはち切れそうに尖ったそこを指でも挟もうものなら、すぐに決壊してしまいそうだ。
サラは自らの口を手で塞いで声を殺した。

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