
マッチ売りの少女と死神さん
第9章 1月3日…お別れの調ベ 後編
内に感じる熱がサラの全身を火照らせる。
愛液でぬめる肉壁を擦るように剛直が奥へと侵入し、後退し、を繰り返す。
ぬちゅ…っ、くちゅっずちゅ…っ、ぬちゅ…っ
サラのほっそりした片方の腿が高く持ち上げられ、そんな恥ずかしい体勢で開かれた膣口は打ち込まれる楔に愉悦してヒクついた。
二つの異なる生き物は深く性器を絡ませたまま淫靡に揺れ続けた。
微妙に角度を変えながら胎内を往復するそれは理性を遠ざける。 やがて近付きつつある限界に、惑いをみせるサラの腰骨を大きな手で固定され、お仕置とばかりに抜き差しが激しくなる。
ぐぽぐぽと音を立てて貫いてくる快感に抗えない。
間もなく達しそうに体を強ばらせたサラは、親指の付け根を噛んでいたお陰で息を詰めただけで済んだ。
「ン……っ!!………ッっ!─────!!」
直後、肩から背中、お尻から四肢へと………何より、彼女の腟内が激しく呼応する。
「は……」
内部にやんわりとした余韻を与えつつ、ホーリーが惚けた表情のサラの耳元に口を付けた。
────良かった、泣き止んだねえ?
それにしても……随分と積極的だったけど。
サラの顔がかあっと赤くなる。
「そんなことは……」
ないです、ぼそぼそと口ごもる。
(ホーリーさんは最後まで、出来たのかしら……)
と、気にしつつも、何せ見えないのでサラにはホーリーの状況が分からない。 本人に尋ねる勇気もなく、ショボショボ俯いて衣服の乱れを直す。
体を離した二人は元のスツールに座った。
どちらともなく背中合わせになり、サラが膝を立ててホーリーに寄りかかる。
(気を使ってくれている? 見えなくって、また私が泣かないように?)
背中から彼の気遣いを感じた。
それから。
『僕は君以外に反応しないんだよ』
いつになく、最中にもサラの耳はホーリーの言葉を拾っていた。
(私だけ………)
彼がこうするのは自分だけ。
そして自分がこうするのも彼だけ。
彼が向こうで一人ぼっちなのは嫌なのだが、サラはくすぐったい気持ちになる。
(ホーリーさんの姿が何であろうと、私はこの人自身を信頼してるんだわ。 だからこそ求められ、求めたいと思うんだわ)
それこそがサラが考えついた、汚れない男女の在り方だった。
