
マッチ売りの少女と死神さん
第3章 1月1日…死神さんに注がれています
悶々と思い出していたホーリーは自分の顔にさっと赤みがさしたような気がした。
(……そ、そんなのはどうでもいい)
ホーリーはよこしまな気分をとりあえず脇へ避けようと軽く目を閉じた。
何しろ大事の前である。
どういう訳だか昨晩はしくじってしまったし。
今朝も自分でもよく分からないうちに、サラをベッタベタに甘やかしてしまったが。
そんなのは些細なことだろう────たぶん、おそらく、いやきっと。
そしてホーリーは今までの失態を振り払うように首を横に振った。
不安げな目をした可哀想な少女が、後ろを歩いているホーリーの様子を、チラチラと伺ってくる。
そのたびにホーリーはサラに温かな視線を返した。
(大丈夫だよ。 僕がずうっと見ててあげる)
自分は彼女にとって最初で最後の男となるのだ。
────そう、永遠に
