
マッチ売りの少女と死神さん
第4章 1月1日…それはかわいい君のせい
(さっきはサラちゃんに機嫌悪い態度をとったくせに勝手かなあ)
我ながらホーリーは思ったものの、お陰で今朝のサラの動向が理解出来た。
………そもそも、彼女が嘘などつくはずがないのに。
ホーリーにとっての鬼門とは、彼女の実家だった。
サラの本来の死。
大晦日の12月31日、20時10分。
場所は実家のキッチンにて。
死因は腹部の刺し傷。
あれはおそらく事件性のある事故だ。
日が経とうと危険には違いない。
そんな理由でホーリーはサラの行き先に関して、かなり神経質になっていたのだ。
帰路につきながら、ホーリーはなおも考えていた────憂いといってもいいが、それはいくつかある。
サラの死。
二つ目は体の不調。
三つ目は自身の思い。
……一つ目は前述の通り。
次もそれと密接に関わる。
