テキストサイズ

マッチ売りの少女と死神さん

第4章 1月1日…それはかわいい君のせい



「ふふ……これは賭けだよ。 そうだね…僕が勝ったらあと一つ。 お願いを聞いてもらうねえ」

「構わないわ」

サラが胸を張って言う。
『感謝祭に投票する七面鳥』
この意味は、自分(七面鳥)が食べられてしまう感謝祭に、自ら支持票を投じ、積極的に参加することを意味する格言である。
同様に、東洋にも似たようなものがある。 よいしょよいしょとネギを背負って、まな板の上に登ってきた美味しそうなカモ。
ホーリーはサラに対しそんな想像をした。

彼女をやっと床に降ろしたホーリーがサラの手を取り、かがんで細い指先に額をつける。
サラはホーリーに不思議そうな視線を返した。

「僕はこの先何があろうとも、永遠に君を愛すると誓うよ」

ホーリーは心からの愛をサラに告白した。
日常の会話かとさえ思える、いつもと同じ調子で、そんなことを言われたサラが狼狽えた顔をする。

「………湯船にお湯が溜まったねえ。 服を脱いでおいでよ。 恥ずかしいなら向こうを向いているから」

「は…は、はい……」

真っ赤な顔をして、消え入りそうな声で返事をしたサラだった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ