
マッチ売りの少女と死神さん
第4章 1月1日…それはかわいい君のせい
朝にサラの体に仕込んだ催淫剤。
まだ体内に残ってはいるだろうが、自然のものだけあって、強い効力が長続きするものではない。
(うーん……お湯の中じゃ、溶けちゃうしなあ。 サラちゃんに内緒で使えるものは…と)
彼は思いあぐねた。
そもそも常識で考えて、貫通したばかりの少女が、そう簡単に性行為で快楽を得れるわけはない。
人の生態や歴史と同じく、ホーリーはその辺りの知識も豊富にあった。
そこで今回のホーリーは、お湯そのものに細工をしたというわけだ。
「なんだかとても甘い香りと、トロッとしてるような感じです」
「くつろげるでしょお?」
「そうですね……あまり…恥ずかしくないです」
サラは照れ臭そうに微笑んだ。
余った媚薬材料とハーブやスパイス類、濃縮させた蜂蜜などなど。
それらは肌にも疲労回復にも優れたものである。
「……ひゃっ」
急にうなじに口付けられたサラが、背中をビクンとこわばらせた。
「甘くて美味しいねえ」
加えて、サラのどこもかしこも美味しくいただけるというおまけ付き。
サラの耳や首や肩にキスを繰り返すホーリーがたまらず「かわいい」「好きだよ」と囁いて、彼女の髪を梳く。
無言で俯いているサラの様子は見えない。
時々細く息を吐き、それはくすぐったそうに見えないこともない。
「ふふ…笑ってるのお?」
サラの顎をつまんだホーリーが横を向かせると。
「……っ」
サラの、頬をピンクに染めた表情はうっとりとして瞳が潤んでいた。
半開きの唇はつややかで、まるでケシの花のようにあでやかに雄を誘う。
なぜ? の前にホーリーの理性が飛びかけた。
「ん……っむ」
そのまま片手でサラをきつく抱きしめた。
顔を掴み、強引に唇を奪う。
