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マッチ売りの少女と死神さん

第4章 1月1日…それはかわいい君のせい



「ねえ、今日は胸だけにしておく? 気持ちよさそうだよね?」

ホーリーがもう一度問いかけた。
普段なら、とっくに下半身に手を伸ばしているところだ。

「途中で止めるのは可哀想かな…あ、それとももう痛い?」

サラはホーリーと目を合わせるのを避け、ウロウロ視線を彷徨わせている。

(サラちゃんって、可愛がられるのと焦らして苛められるのは、どっちが好きなんだろうなあ?)

ホーリーは考えていた。

その疑問に重なるように

(天国と地獄のどちらか)

そんな自分の悩みがリンクした。
実際は違うが、彼女に決めてもらうというのも『理由』の一つだ。
ホーリーはそんな風にも思う。

「ねえ? さっきから訊いてるんだよ」

試しにやや強い口調で、乱暴に乳房を鷲づかむ。

「っ……痛ッ!」

後ろからでも彼女が体がこわばって怯えているらしいのが分かる。
ホーリーはサラは前者のタイプなのだと察した。

「……分かったよサラちゃん、ちょっと乱暴だった」

「ち、ちが…」

「え?」

「む、胸…おっぱい…すごくて…っ。 止めない、で」

目の下をぽおっと染めて、浅い息を繰り返す彼女。

「そう来た?」

「……? っだって…胸も下も、なんて…全部っ」

「下は触ってないよお?」

「……えっと…ずっとホーリーさんの…触ってて」

「僕の?」

「今朝の時のことを…そ、想像したら、すごく」

「感じちゃった?」

「……っ」

さすがに恥ずかしいのかサラがとうとう両手で顔を覆った。
トロトロのお湯のせいか。
残存している媚薬効果のせいか。
焦らしまくった成果か。

とにかく、心身を解してあげればサラはどちらでも快楽を得られるらしい。
彼女と同じに素直すぎる、けしからん体である。

「フーン……」

しかし恥じ入るサラを視界の隅に収め、あてが外れたホーリーは少しばかり意地悪な気持ちになっていた。
さて、欲望を膨らませすぎて痛いぐらいの自分のコレをどうしてくれよう?
ホーリーはしばらく指を頬に沿わせて考えていたが、手の隙間からチラチラとこちらを見てくる少女に

「サラちゃん、君はなかなかにひどいよねえ……罰として、後ろ向きでそこに手をつきなよ」

と冷たく言い渡したのだった。


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