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身近な練習相手

第6章 もっと身近な異性

妹は立ち上がると、庭の隅の方を指差し、

「お兄ちゃん!こっちにもお水あげて!」

と言った。
 
そこには夏野菜がいくつか栽培されていたが、僕は野菜が嫌いなので全く興味がなく、何が植えてあるかも知らなかった。

妹は、菜園に近付くと、

「向こうのシシトウ、ピーマン、トマト、カボチャがお母さんので、こっちのミニトマトとナスが私のなの!お願い!お水掛けて!」

と言った。

野菜には、それぞれ実が付いていて、妹によれば、カボチャ以外は既に何度か収穫しているとのことだ。僕は、その事を全く知らなかった。

僕は、妹の指示通り庭の隅にある菜園目掛けて水を掛けた。

葉から水が滴り落ちる様子を2人で眺めて、ある程度掛けると、妹が、

「ちょっと私に貸して!」

と言って手を出したので、妹にシャワーを渡した。妹は、

「お兄ちゃん、暑よね?お水掛けてあげる!」

と言って、至近距離から僕の体に直接水を掛けた。直ぐに止めるかと思っていると、いつまでも掛け続けるので僕の首から下がずぶ濡れになり、たまらず一旦遠ざかって、避難した。

妹は、

「お兄ちゃん!涼しくなったでしょ!」

と笑いながら言った。僕は、苦笑いしながら、

「あのね~、水掛けるって言っても、普通こんなに直接掛けないでしょ!上に向けて、軽く雨降らせるような感じでちょっと掛けるとか…。」

と言った。僕も白のTシャツを着ていたが、完全に体に張り付いて、ずぶ濡れ状態だ。下半身まで半分濡れている。

しかし、夏の暑い時期の水道水は、思った程冷たくなく、妹が言うように、涼しいという感想が適切だと思った。

妹は、笑いながら、

「私常識ないから!」

と言い、そのまま、また、菜園に水を撒いた。僕は、妹に近付くと苦笑いしたまま、

「ちょっとシャワー貸してもらえるかな〜?」

と言った。妹は、一度シャワーを止めると、かわいい笑顔で、

「はい!どうぞ!」

と言って、両手を添えて僕に丁寧に渡した。僕も両手で丁寧に受け取ると、

「何に水掛けるかわかってるよね?」

と言った。妹は、

「え〜?わかんない!」

と言いながら、胸の前で腕をクロスさせて、体を少し丸めた。覚悟を決めているようだ。

僕は、水を出すと、スイッチをシャワーからジョーロに切り替え、水の勢いを弱めてから、妹の肩に水を掛けた。






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