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「シャーク×サルベージ」

第2章 「シュルフ・ルソン」


40分ほどでフェリーはベル=イル島に到着した


港の周りは観光客だらけだ

夏のシーズンはフランスのみならずイギリスからの観光客も多いらしい


一行は2台のタクシーに分かれて島のサーフショップへ移動した


エイプリルが事前に連絡をしていたらしく、人数分のボードが並べられていた


ワックスも塗布してあり、すぐに使える状態だ


一行は早速砂浜の方へ移動していく


坂道を降りていくとき、サーシャがナオトに近付いてきた


「ナオト、あの看板より向こうに行ってはダメよ」


ナオトが見上げると砂浜の遠くのほう、入江の向こう側に抜けられそうな方向に大きく目立つ看板がある


「そうなの? 何があるの?」


「入江の向こう側は“ナチュラリスト”たちのビーチよ!」


「ナチュラリスト?」


ナオトは聞き慣れないワードにピンと来ていない


後ろを歩いていたエイプリルが助言する



「ヌーディストビーチよ」


「あ、 ああ……」



サーシャは楽しそうに笑っている

「照れちゃって!」


ミアはツン!とした表情で冷たくあしらってきた

「そんな想像するようなセクシャルな場所じゃないわよ
 ナチュラリストって年寄りばかりなのよ?」



「そうなの?」


ナオトはよくわからなかった


エイプリルがサポートする


「年寄りばかりって程でも無いけど、自然主義に浸るのは落ち着いてからの人が多いのよ
 若いうちはやりたいことが沢山あるじゃない?
 落ち着いてくると物欲が薄くなってきて、都会より森とか山で暮らしたい人が増えてくるの

 たからナチュラリストたちは落ち着いた雰囲気の場所なの

 リゾートビーチみたいに音楽ガンガンにかかっているような騒がしい雰囲気ではなくて、

 静かに寝そべって全身で自然を感じる人たちなのよ」


「へぇ」


「私達は何度か行ったことあるのよ?
 ね、ミア」

「ええ、ここじゃなくてニースのほうだけど」


「そうね、そういう場所はフランスにはたくさん有るのだけど、どちらかといえば地中海側のほうが多いかもしれないわね」


「ナオト、後で行ってみない?」


「ダメよ、そんな時間は無いの
 夕方までには店に戻らないと」


はしゃぐ姉妹をエイプリルが制止してくれて、ナオトはほっとした

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