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「シャーク×サルベージ」

第2章 「シュルフ・ルソン」


一行は浜辺にシートを広げて荷物をおろし、上着を脱いでそれぞれ海へ向かった


全身を覆うラッシュガード越しとは言え、大西洋側の海はひんやりしている


夏のシーズンとはいうものの、地中海側とは水温が違うのだ


そのぶん波が高く、サーフィンには持って来いだ


乗りやすい波が多いので初心者レッスンには最適だ


ナオトはもうひとりの男性ジョージと一緒に波を待っている


浅い白波の場所では観光客も多く「スープ(初心者向けの小さな波)」で気軽に波乗りを楽しんでいた

サーフィン初心者だけでなく、ボディボードを楽しむ人も多く見かける


ジョージが狙いを定め、波に合わせてパドリングする


数回でうまくテイク・オフ出来た


続くナオトも次のスープを捉えてパドリングをする


たがテイク・オフには至らなかった



ふたりの姿をエイプリル、ミア、サーシャの3人が見届けていた



「ナオトってアジア人だし目立つから、つい目がいっちゃうんだけど、そんなに上手くはないのね」


「パドリングの動きが大きすぎるからグラグラして不安定になってるのよ
 バランスがまだまだね」


「彼のボードはロングボードだから、もっと早めにパドリングしておかないと間に合わないわ」



「アナタたち、人の事言えるの?」


エイプリルは笑った



何回か浅場で繰り返しているとナオトも数回は波に乗ってテイク・オフ出来るようになっていった



ヘトヘトになったナオトとジョージが浜辺のシートに戻ってきた


シートには既にエイプリルが休憩していた


「うまく乗れるようになってきたじゃない!」



「キブロンよりスープの数が多いから、ここはチャンスが多いですよね」


「そうだな、ナオトもコツを掴んだよな!
 でもチャンスが多い分、体力も奪われるから俺はヘトヘトだよ!
 今日は夜から仕事があるのに!」


ジョージはキブロンの入り江側の街のバーで働いていた


「よく体力があるね、ジョージ!」


「アジア人には負けないさ!
 でも、もう少しだけ波に乗ったら俺は先に帰ることにするよ
 じゃあ、ナオト、エイプリル!
 また次のレッスンでな!」


「バーイ」

「アビアント!ジョージ」


ジョージは最後のサーフィンを楽しもうと再び海へ駆け出していった…


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