「シャーク×サルベージ」
第3章 「新型機」
何度かの単独航行訓練を繰り返して、ようやく2機によるフォーメーション行動をとることになった
本来ならば2機が前衛/後衛の役割を担いながら簡単なシミュレーションテーマをこなしていくのだが、そこでまたもやノヴァの自意識過剰行動が出る
「今のままの訓練を続けても旧型と同じような運用しかされません!
新型は新兵器ならではの運用があります
どうか同期訓練ではなく、対戦訓練を試してみて下さい!」
ミーティング中のノヴァは強い語気で発言した
作戦行動チーフも同じような訓練に飽き始めていた事もあり、ノヴァの意見に耳を傾けた
“コイツら、おもしろくなってきたな”
チーフはノヴァの発言を取り上げ、具体的な提案を求めた
そこでノヴァが提案したのはバスケットボールで言う「スリーオンスリー」のような対面訓練だった
負けず嫌いのクラウディアは当然、受けて立ち
シンシアは仕方ないなぁ、という諦めの表情
ギルは相変わらずまごまごしてこれ以上ヒートアップしないよう祈ることしか出来なかった
ミーティングの終了後、パイロットチームの軋轢に疲弊しきったメカニックマンたちがぞろぞろ部屋を出て、
作戦行動チーフは趣味悪くニヤニヤしながら部屋を出る
最後に出てきたパイロットチーム4名は鼻息荒く、嬌声を繰り返して部屋から離れたのだった