「シャーク×サルベージ」
第3章 「新型機」
新型機「ジェ・ロック」
今回のサルベージ作業に導入された機体は3機
仮に1号機とされた赤い機体は深海では赤い色の波長が届かず黒に見え海底付近に溶け込んでくれる
おもにシンシア、クラウディアが搭乗する
2号機とされたライムグリーンの機体は浅い上層を想定して青い波長に溶け込みやすくなっている
おもにギル、ノヴァが搭乗する
3号機は予備機として控えており、ときには臨時機として代用されたり、状況によってはパーツ取りされる事も想定されている
赤い1号機とライムグリーンの2号機は何度も同じ訓練を繰り返す
発信機のついたビーコンは自律行動をとり海底をさまよう
2機はそれを追いかけ、ときには破壊、ときには確保する
新型機「ジェ・ロック」が試作段階からテストパイロットを務めていたノヴァに一日の長があるとは言え、シンシアとクラウディアのペアも離されずにポイントを奪っていく
なかなか勝ち越せないクラウディアは苛立ち、
ぶっちぎるつもりだったノヴァも苛立っていた
その中でシンシアとギルは冷静に自分の職務を中実にこなし、確実にルーティンワークを自分のものにしていく
こうして新型機ジェ・ロックは次のサルベージ作業までの実地訓練を繰り返していった
彼らは時間の経過とともに意見交換を重ねていくことになり、敵対心があったクラウディアとノヴァも相手の力量を認め合うことになっていった
クラウディアの技量が上がっていき、どんどんポイントを稼いでいっていたとき、
まだ誰もシンシアの技量が異常なスピードで向上していった事に気付いていなかった
彼女の操作ミスはほぼゼロ
大きな加点は無いものの、減点要素がまったく無かった
それはまるで
始めから力量を誤魔化していたかのようだが、
悟られてはいなかったのだ
臨時クルーとして参加していたシンシアだが、ここにきてセーブすることが出来なくなっている
やはり
新型機「ジェ・ロック」との相性は悪くない
空軍時代、中隊を任されていたときの勘が蘇っていく
彼女はサルベージ作業の補助をするレベルのパイロットではないのだから
そして
次のサルベージポイントへ移動する前の最後の日
ラスト・トレーニングを開始した
シンシア、クラウディアVSギル、ノヴァ!