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「シャーク×サルベージ」

第4章 「ハマム」


ついたてがあるのでお互い見えないとは言え、

板1枚向こうで男女が裸でいてる事が

ナオトに意識するなというほうが難しい


そんなナオトの気も知らずにエイプリルはキガルに話しかけてきた


「ジョージが行方不明なんだって!
 ナオト知ってた?」


「ええ? こないだ一緒にサーフィンしてたじゃないですか?」


「そう、あの日から彼、職場に出て来てないらしくって!
 こちらのレッスンは毎日やってるわけじゃないからわからないけど、仕事のほうは全然姿を現さなくなったらしいの
 連絡もつかないって」


「警察官が来ていたのはジョージの件だったんてすね?
 ボクらも島で別れた以来会ってないですよね」


「ナオト、悪いんだけどシャワーの後で警察官に話しをしてもらえる?
 たぶんミアたちにも質問されると思うから」


ナオトはシャワーを止めて、タオルで身体の水滴を拭こうとしている


「ええ、それはいいんですけど……

 ん?」


ふと、ナオトがシャワーのノブを見ると大きな虫が貼り付いていた!


「うわぁッッッ!?」


驚いたナオトは大きな声を出してシャワースペースから飛び出して、転倒した


「な、なに? どうしたの!ナオト?」


エイプリルもナオトの声と転んだときの大きな音でびっくりし、シャワースペースから出てきた


ナオトの顔を見たあと、ナオトの元居たシャワースペースを振り返る


「なぁんだ、フナムシじゃないの
 驚かせないでよ、ナオト!」


「え? えっと、  あぁ……

 スイマセン、予期してなかったので、つい」


床に尻もちを付いているナオトにエイプリルは手を伸ばした


「虫に怖がるなんて、

 案外だらしないのね」


そう微笑みながら手を差し出すエイプリル


ナオトは目の前のエイプリルのヌード姿が衝撃的に目に焼き付いた


女性のわりに肩が張り、腕や脚にも筋肉がつき、いかにもアスリート風なエイプリルの肢体に目を奪われる


エイプリルは恥ずかしがることもなく、目の前の男の子のような容姿のナオトを愛おしく引き上げてやった


あまりにも堂々としている夫人の前でナオトは目を合わせられない

そんな反応を見てエイプリルはフフフと笑った


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