「シャーク×サルベージ」
第4章 「ハマム」
シャワーを出たあと、ナオト、ミア、サーシャは引率者のエイプリルとともに警察官の質問に答えていくが、同じような事の繰り返しでうんざりしていた
警察官は何とか情報を得ようと、様々な質問をしてくるが、ナオトたちからすれば何処で何が起こっているのかすら理解していないので、それ以上応えようがなかった
船付き場の防犯カメラにも帰りにジョージの姿が確認出来なかったらしい
ベラ=イル島で何が起こっていたのか……
結局30分ほどの質問にも進展が無く、警官たちは引き上げていった
「ご苦労さんナオト、なんだか悪かったな」
店主のフィンが申し訳無さそうにマグカップのコーヒーをナオトに渡す
「いえ、それよりジョージに何があったんてしょうか? 心配ですね」
サーシャもマグカップを受け取り会話に入ってくる
「ジョージってバーテンさんでしょ?
ノリが軽くって!
どうせ女の子にちょっかい出して、マフィアとかに追われてんじゃないの?」
「物騒なこと言わないでよサーシャ!」
「冗談よ、バカね、誰も真に受けてないわ
ミアはホント空気読めないんだから!」
「空気読めないのはアンタよ、サーシャ」
「はいはい、ふたりともそこまで」
たまらずエイプリルが制止する
「そういえばふたりとも、このあと用事があるって言ってなかった? 大丈夫なの?」
「え? ああ、 街のほうに新しい“ハマム”がオープンしたのよ? レッスンが終わったらそっちに行って暖まろうと思ってたの!」
「ハマム?」
「あら、ナオト、フランスに来てから一度も行ってないの?
ハマムは公衆浴場って言うのかしら?ミア」
「トルコ式公衆浴場かな?
アラビアスタイル?
エステみたいなものよ」
どうやらサーシャとミアはこの後、半島の反対側穏やかなビーチのある観光地のほうへ行くようだ
ハマムは蒸気風呂のような広い部屋でゆっくり寝そべりながらマッサージを受けるようなところだ
サウナと岩盤浴が融合したようなイメージか
「ミア、サーシャ!ナオトを連れ出してやって!フランスに来ているのにろくに出掛けてないみたいなの!」
エイプリルも促してきた
「じゃあ、エイプリルも一緒に行こうよ!」
こうしてレッスンが終わってから同じメンバーで出掛けることになったのだった…