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「シャーク×サルベージ」

第4章 「ハマム」


暖かい大理石のベッドの上でずっと待っていたナオトは少し焦ってきた


“おかしいな…、たしかアカスリも入ったコースで予約してくれてたらしいんだけど…、
 とうしようか? 言ったほうがいいのかな”


ハマムのスタッフは他の客の方へまわっては、次の客へと移動していく


確認だけでもしておこうか、とナオトはおそるおそるスタッフに声をかけた


すると


「お客さま、是非もう少し身体を温めて下さい

 温まりきったお客様から順にまわっております

 ですが、まだお客様の身体はご準備が整っておられません
 もう少しお楽しみください」



ナオトはなるほど、と思った


確かに周りのお客ほどナオトは汗が噴き出していない

 みな、顔はテカテカし、身体からも蒸気をだしている


 冷えた身体のナオトはまだまだ身体の準備が出来ていないのだ


それから数分後、


ナオトは無事ハマムを楽しみ終えたのだった



すべてが終わり、館内用の腰巻きタオル“ペシテマル”も新しいものに替えて入浴後のリラックススペースで“チャイ”をいただく


湯冷めしないようにスタッフが身体全体にペシテマルを頭まで巻いてくれた


日本の風呂のような浴槽は無い

そして欧米風のシャワーも無い

あるのは広間のドーム内での蒸気

そして掛け湯だった


ゆっくりリラックスしているところに女性陣がツヤツヤな表情で現れた


「どう、ナオト!楽しめた?」


「ええ、ミア!オジサンの洗礼を受けましたよ
 かなり手荒くガシガシされました」


「アハハハ! ハードだったのね」


「それに何度も頭から掛け湯を繰り返されて

 日本の修行場のようでしたよ!

 凄かったです」


ん?と、ナオトが女性陣を眺めていると見慣れぬ女性がひとり加わっている


「ああ、こちらジェムよ
 中で一緒になったの」


「アンシャンテ、ナオト!」

「アンシャンテ、ジェム!」


「ジェムは学生なんだけど生物学を専攻していて、実習で軍の依頼を受けているらしいわよ?」


「アサイラム・コロニーって知ってる?
 私はそこで学んでいたの!
 学業とバイト兼任でこっちに来たのよ」


「軍からなんの依頼で?」


眼の前の落ち着いた女性ジェムは宇宙から降りてきたのだった…


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