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「シャーク×サルベージ」

第5章 「メガロドン」


ゆっくり潜航しながら他愛もない会話をしていたシンシアとジェムだが、突然の警告音で我に返った


ビーー!ビーー!ビーー!


「な、なに、シンシア?」

「わからない、ソナーが反応してるケド
 こんな速さ、モビルスーツじゃないわ」


「私の出番ね、クジラでも無さそう
 サメにしては大き過ぎるし……」


ソレは凄まじいスピードでジェロック機に接近してきた!


シンシアは正面のライトだけでなく背面のアーム式ライトを展開する


警告も兼ねて発光弾を撃つ


正面のメインカメラが捉えた映像が映し出される

ソレは正面を目指して近付いてきたが、発光弾に引き寄せられ反転する

その姿を見て二人は絶句した


巨大なサメ


いや、


最大のサメでも5、6メートル程度の大きさだ

さきほど遭遇したサメはゆうに20メートルを超えていた!


「な、なんなのッ!?」

慌てながらもシンシアは冷静にライトを消していく操作をする

発光弾に気を取られているうちに、こちらの気配を瞬時に消そうとしたのだ


ジェムはその様子を隣で見ながら
“この娘、えらく判断が早いわね”と思った
普通ならパニックになり、わめいてくるようなものだ


「あれが私と先輩のターゲット、メガロドンよ!」


「メガロドン? なに、それ!」


シンシアはジェムからの返答を待たずに機体の制御を始め、降下潜航を中止し海溝の岩場の影に移動させた


機体の作動音を出来る限り抑えるため、ライトの消灯だけでなく外部スクリューや内蔵モーターのインペラーの回転、さらにコックピット内の空調も停止させた


静寂


海流を受けて機体がきしむ



5分


10分


変化は無い


やり過ごせたか


シンシアはジェムを見る


「いったいアレは何なのッ!?
 アレはサメじゃないわッ」


「そう、わたしたちが蘇らせた太古の覇者、メガロドンよ」


ジェムは恐ろしい計画を口にしていた…


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