「シャーク×サルベージ」
第6章 「ラスト・ダンス」
ナオトもウェットスーツを脱いで、高ぶる気持ちを抑えてシャワーを浴びる
隣でエイプリルがシャワーを浴びているのは2回目だ
そしてフルヌードの姿を見たのも……
いけない、いけない!と気持ちを鎮めて熱いシャワーを浴びる
冷えた身体に心地いい
同じフランスでもニースのような地中海沿岸の南フランスは温暖な気候なのだろうが、こちらの大西洋側はさすがに肌寒いのだ
それでもドイツやイギリスと比べてはまだまだ暖かいほうなのだろう
イギリスからやって来たミアとサーシャの姉妹もこちらは暖かいと言っていた
熱いシャワーを浴びたあと、備え付けのボディーソープを探すが見当たらない
“あれ? もしかして備え付けなのは男子だけなのかな? 女子は自分のお気に入りのものを持ち込んでいるのだろうか?
ま、今日は無しでもいいかな……”
ナオトがゴソゴソした音を聞いていたのか、エイプリルが声を掛けてきた
「どうしたの、ナオト?
洗わないの?」
「え、ええ……、ここにはシャンプーもボディーソープも無いみたいなので……」
「早く言ってよ! コレを使いなさい」
衝立て越しに手渡してくれるのかと思っていたらわざわざこちら側にまで持ってきてくれた
狭いシャワースペースにエイプリルが押し入ってくる!
「エ、エイプリルさんッ!?」
「ナオトはいつも謙虚ね、静かなること山の如し、て日本では言うんでしょ!
ナオトはいつも穏やかで優しいけど、逆に言うと積極性が足らないわよ
そんなんだったら相手に伝わらない事もあるんじゃない?」
エイプリルはマジメな会話をしてくるが、ナオトには目の前のエイプリル婦人の肉感的なボディーに心臓が破裂しそうになる
「ほら、こっち向いて」
エイプリルがソープを手に取りナオトの身体に塗りつけてきた!
「エイプリルさん、すぐ近くにフィンさんが…!旦那さんが居るんですよ?さすがにまずいですって!」
「女子更衣室にまで入って来ないわよ!
それに……別にやましい行為をしてるわけじゃなし!ほら、腕も上げて!
なぁに、それともこんなオバさん相手に興奮しちゃってるの?」
「エイプリルさんはとても綺麗ですよ
それに……
スポーツマンでカッコいいです」
エイプリルは笑いながらナオトの肩や腕に泡を広げていく