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「シャーク×サルベージ」

第6章 「ラスト・ダンス」


ナオトのクルマは海岸線を走らせていた


……びっくりした!
ヤバかったな
もう少し余韻に浸っていたらフィンさんに見られてたかもしれない!

 でも


エイプリルさんとあんなことになるなんて…


ナオトはまだ気持ちが鎮められていなかった


目の前の道路の景色など頭に入らず、つい先程のエイプリルの肢体が脳裏に焼き付いていた


大きなエイプリルの身体を小柄な自分が交わっている不思議な光景


ふう、と息を吐き出す


“さて、今夜は何を食べよう?シアは遠洋に出てるから来週まで戻らないしなぁ…”


自炊する気も起こらず、かといってリゾート地の豪華なレストランに独りで行く気にもなれなかった


けっきょく繁華街の中にあるジャンクなファーストフード店に入ろうとしていた


「あれ? ナオト???」


「え?」


背中から呼びかけられて振り向くと2人の可愛い少女たちが笑顔で手を振ってくれていた


ミアとサーシャの姉妹だ


「やぁ!今日はすれ違ったね、車で店を出ていくところを見かけたよ」


「こんばんは、そうなんだ!?追いかけて来てくれたら良かったのにッ!」


「こんばんはナオト、サーシャ!ナオトは今日はレッスンだったのよ?彼も疲れて戻って来るタイミングだったのよ、ねぇ?」


2人はナオトの両脇に腕を絡めて密着してくる


ナオトは2人の華奢な身体とはいえ、女体が触れる感覚でまたもやエイプリルの肉感的な身体を思い浮かべてしまっていた


「そうなんだよ、今日もクタクタさ
 それはそうとキミたちここで何してたの?
 空に上がるって話しはフィンさんに聞いたよ」


「そうなの!イギリスのお祖父様がここのところ体調が良くなくって!地球もどんどん天候不順だし、シャトルがあるうちにコロニーへ移住することになってしまったの……」


「せっかく知り合えたのに、残念だね」


「ナオトもそう思うッ!?
 じゃあさ!ちょっとお出掛けしない!?
 ここでテイクアウトしてさ!」


サーシャはナオトが入ろうとしていたファーストフード店を指差した


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