「シャーク×サルベージ」
第7章 「ノヴァvsジェム」
巨大なサメはマリン・ジェガンを“喰い散らかした”後、反転してノヴァのジェロックへ向かって来た
拡散したビームライフルの威嚇攻撃は致命傷には至らないもののスピードを落とさせる事には成功していた
「なんなの、このバケモノッッ!?」
ノヴァは撹乱させながらも冷静だった
的確に相手の行動パターンを読み取り、予測する
この新型機は自分が育て上げた子供
何度も何度も修正を重ねてようやくここまでこぎつけた自信があった
拡散ビームライフルをダミーにしながら実弾魚雷を織り交ぜていく
爆発!
命中!
だが敵は一時的にひるんだものの、いまだ闘争心はむき出しのようだ
反転しては攻めてきて、また後退しては再び攻めてくる
“アイツも必死のようねッッ!!”
ジェロックは攻めて来られた分だけ後退し、距離を詰めさせない
一定の距離を保ったまま撹乱攻撃を繰り返す
あと数発打ち込めば、さすがに鎧のような硬い表層でも抉れていくハズだ
ジェロックは後退しながらもジグザグにランダムな潜航をしてサメに間合いを与えない
“そらそら!コイツも食らいなッッ!”
何度めかの命中でようやくサメが頭を上げた
“終わりにしようよ!サメくん!”
ノヴァは最期の魚雷を放った
ビームライフルの射撃の影のようにサメに迫る
命中か
その瞬間!
いつも以上のまばゆい光りがあたりを包んだ
瞬間的に目が焼ける
目を凝らすノヴァの目の前にはサメを守るように正面に立ちはだかる影が……
「うそ…? なんで…?」
ノヴァの駆るジェロックの目の前に
もう一体のジェロックが立ちはだかっていた!
ジ……ジジ……、と雑音気味の通信が届く
「可哀想に……、ダメじゃない……この子は特別な子なのよ?」
その声にはノヴァにも聞き覚えがあった
「その声……、新しく入ってきた研究員だろう? ジェムと言ったわね!? シンシアもそこに居るのッッ!? なぜ妨害するッ!?」
ノヴァのジェロック二号機の前に立ちはだかったのはジェムのジェロック一号機の姿であった…