「シャーク×サルベージ」
第7章 「ノヴァvsジェム」
ノヴァの波状攻撃!
だが不慣れなはずの研究員ジェムは正確に実弾のみに狙いを定めビームライフルとサーベルをたくみに操り迎撃していく
“アイツ、なんで使いこなせているんだ?”
ノヴァは疑惑が脳裏に浮かぶ
“もしかしてジェロックの開発時から情報が漏れていたか…
連邦の中もサイテーな奴は多いからなッ!”
実際新型機の情報は漏洩していた
もともとはジェムの先輩、以前サルベージ部隊に招かれていた研究員がお膳立てしていた
ネオ・ジオン軍は様々なプレッシャーを与えるべく作戦を重ねていた
宇宙からの隕石落とし〈地球寒冷化作戦〉
そして海洋の航行を制限させる〈メガロドン計画〉
地球の半分以上を占める海洋を制限させ物流を滞らせる計画は不特定な標的を始末するだけでじゅうぶん脅威となる
比較的簡易的な計画でもある
“ネオ・ジオンはよくもまあ次々とわけのわかんない作戦を立ててくるわねッ!?”
ノヴァは苛立ちを隠せない
ソナーを確認する
巨大サメのほうはどこかへ消え去ったようだ
“方角的にマズいわね…、陸地のほうに向かってなければいいのだけれど……”
それを追撃することは難しそうだ
ノヴァは手塩にかけた新型機を倒さないとここから離れられないだろう
ノヴァの二号機はゆっくり後退させながら海底の岩場を盾に間合いをとっていく
「隠れながら攻めてくるつもり?
アンタ意外と慎重なのね
てっきり猪突猛進なタイプだと思っていたわ」
ジェムの機体が魚雷を撃ち込んできた!
3…2…1…、着弾!
ギリギリで交わすノヴァだが魚雷は上の岩場を破壊し、残骸が降りそそいできた!
“押し潰される…ッッ!?”
ビームサーベルを振り回すが意味は無かった
岩の残骸ごとノヴァの二号機は海底の崖を滑り落ちていく
ようやく落下が止まったものの、機体の半分以上が埋まり、身動きが取れなくなってしまった
“動けッ! 動けッ!”
内部の水流ジェットを高速回転させるが効果はなかった
ライフルもサーベルも何処かへ落としてしまったらしい
万事休すか
そこへゆっくりとジェムの一号機が近付いてきた