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「シャーク×サルベージ」

第8章 「イルカ・プール」


ドアを開けてエイプリルを迎え入れるナオト


エイプリルは少し顔を赤らめている


「ごめんね、突然連絡して…」


「いいんですよ、それにボクもエイプリルさんの事を思い出していたところだった」


エイプリルは“自分だけが求めていたわけでは無かった!”とわかりホッとした


若いオトコに熱を入れあげているのを悟られたくなかった

でも会いたくてたまらなかった!


週末のあいだ、ずっと会えなかったのが余計に辛かった


観光客で忙しい週末がようやく終わり、エイプリルはわざとどうでもいいような内容の買い出しを旦那に伝えてナオトにメールを送ったのだ


とにかく早く会いたい


次のレッスンまで待てなかった


それぐらい数日前のシャワールームでの行為は刺激的だった


ちょうどクルマに乗り込んだタイミングでフィンに声を掛けられた


「どうせ街まで出るのなら、修理に出しているボードの進捗を見てきてくれないか?
 来週レッスン生が増えるかもしれないんだ」


「ええ、わかったわ」


エイプリルは願ったり叶ったりだ
これで数時間は戻ってこれない言い訳が出来たのだ
なにしろ修理屋の主人は話しが長いので有名なのだから

“これでゆっくりナオトと会えるわ”


エイプリルは気分が高まった


さらに嬉しいビッグニュースが巡ってきた


「ああ、それと言うのを忘れていたけど、こないだバーで会った釣り仲間たちを覚えている?
 今夜は彼らと船に出る
 帰るのは明日の昼を過ぎると思う」


エイプリルはこんな幸運が舞い込んでくるとは!と神に感謝した


「ええ、わかったわ!久しぶりに楽しんで来て!晩御飯も要らないんだったらわたしレイシーたちと食事してくるわ!」


「ああ、そうだね!そうするといい
 彼女たちによろしく伝えといてくれ」


「バイトのジョンとナットはまだ残っているの?」


「え? ああ、まだ残っている
 商品の情報配置転換をさせてる
 釣りにはまだ時間があるしね」


こうしてエイプリルのフィンはそれぞれの時間を楽しもうとしていた…



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