テキストサイズ

「シャーク×サルベージ」

第8章 「イルカ・プール」


その後もトレーナーとコミュニケーションをとった連携プレイや、ボール遊び、ポール越えなど数々のテクニックが披露されショーは大盛り上がりだった


ラストは数匹のイルカによる連続ジャンプショーだ!


そのとき、ナオトは海の向こうから何か大きな物がこちらにゆっくりと迫ってきているのが見えた


誰も気が付いていない


なんだろう?


気にはなっているが、ショーは最後の盛り上がりだ!


何度もイルカが宙に舞う!


そのたびに着水時の波しぶきが観客席に降り注ぐ!



観客席のボルテージも最高潮だ!


そして



すべてのイルカたちが揃って横一列にジャンプを続けた後、ダメ押しのようにそれぞれの大ジャンプまで披露されていく!


イルカは名前を呼ばれるとそれに応えるように大きなジャンプを披露し、観客からはねぎらいの拍手が惜しみなく続く


「では、最後は当館でいちばん大きな“ルシア”ですッッ!!」


ピッ!とホイッスルが響き、数秒後にいちばんの巨体のイルカが海中のいちばん深くまで潜ると会場の真ん中からドーーーン!と見事な大ジャンプを披露した!



その瞬間!



飛び出した大きなイルカの下から、さらにもっと巨大なクチが飛び出してきたッ!


それまで一番大きいとされてきた“ルシア”がひと呑みされてしまうぐらい大きなクチだ!



「きゃああああああッッッ!!!!」



プシューー!


鮮血が水鉄砲のようにあたりに飛び散る


あっという間に海は赤い鮮血が広がっていく!


会場は大パニックとなった!


血しぶきは海だけでなく観客席のほうにまで飛び散っている


人々は蜘蛛の子を散らすように四散する!


悲鳴! 叫声! 

海から会場側にポーン!と何かが飛んでくる!


人間の腕だ!


「ひぃっっ!!!」


ナオトとエイプリルがスタジアムの後ろの方の席から脱出するには階段を降りて海際のアクリルのところを通らなければならない!


まさかその食いちぎられた腕が旦那のものだとも知らないエイプリルは目を逸らした……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ