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「シャーク×サルベージ」

第9章 「対決」


ザクザクザクザクッッ!



お互いの突進する勢いであっという間にサーベルはメガロドンの巨体を縦に斬り裂いていった!



さらに追い打ちをかけるように、先に射出しておいた魚雷が真っ直ぐ命中、大爆発を起こした!



声帯を持たないメガロドンは絶叫することもなくゆっくり崩れ落ち、沈んでいった…



近くでそれを見ていたノヴァはあっという間の決着に驚きを隠せない


「カーソン軍曹? ……なのか?」


正直、あまり突出した操縦テクニックを持ち合わせていない同僚に対して信じられない気持ちでいっぱいだ


「で、でも……、ビーチの人たちは助かった」



ノヴァはゆっくりシートに身を沈めると深いため息をつくのだった



その頃、マリン・ジェガンのコックピット内は悲惨だった…



「跳び上がるなら、それはそれで言ってよ!
 めちゃくちゃ吐いちゃったじゃないッ!?」


成り行き任せで突進したものの、まさか跳躍するとは思っていないクラウディアは交通事故並みの衝撃をまともに受け、さらに骨折した肋骨をさらに悪化させ口から汚物を撒き散らしてしまっていた……



「ああ……、気持ち悪い……、わたし死ぬわ」


「大丈夫、助かりましたよ!ボクたちも、みんなも!」



ナオトは自分のお腹の上でグッタリしているクラウディアをねぎらった


指で彼女の口もとの汚れを拭きとってやる


「あん、いいよぉ!汚いでしょお?」


「平気ですよ」


やさしく顔の汚れや髪の毛の汚れを取ってくれるこの初対面の若いアジア人にクラウディアはドキッ!としてしまっていた



マリン・ジェガンのコックピット内は汚物のせいで酸っぱい臭いで充満してしまっている




そのときジェロックからの通信が届くシグナルが点滅しているがノヴァの声は聞こえない

それが大ジャンプの衝撃のせいなのか、もともと漂着したときから壊れていたのかわからない



何度もノヴァは僚機に向かって呼び掛けるが、何の反応もせず動きを止めてしまっている事に不信感を持つのだった……


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