「シャーク×サルベージ」
第9章 「対決」
「キミ、本当にこの機体を扱うの初めてなの?」
「言ったじゃないですか?
空軍出身ですからね
だからさっきも飛んだでしょう?」
ナオトは笑った
「シンシアよりキミのほうが向いてるんじゃない? この仕事」
「そうかな? でも確かにこの密着した姿勢も悪くないですね
クラウディアさんの大きなお尻の感触が伝わります」
「あーー! そんな事言うんだ!?
ヤな奴ねーー!
それよりハッチを開けて!
外の空気が吸いたいわ……
まだ目が回ってんのよ!」
マリン・ジェガンはコックピットハッチを開き、外の新鮮な空気を取り込んでいく
気分が悪くなっていたクラウディアは外の空気で少しは気分がマシになり、さらに酸っぱい臭いも少しは改善された
ひと安心したふたりが悠長にかまえているとき
水面下からゆっくり傷だらけで半身不随のようなメガロドンが迫ってきていた!
しかし、ふたりはまだ気付かない!
先に気付いたのはジェロックのノヴァだったが、通信不具合のため、伝わっていない!
「おいおい、ナニやってんのよ!早く気付きなさいよ? 来てるってば!」
ノヴァの言葉はナオトたちに届くことも無く、マリン・ジェガンは下からの怪物に盛り上げられていった!!
「な、なんだッッ!?」
「なに、何ぃーーー???」
せり上がって来た怪物は最後のあがきで喰らいついてきたのだ!
「は、ハッチがまだ…!
落ちるッッ!!」
シートベルトをしているものの、全身が自分たちの体重が食い込み振り落とされそうになる!
グルンと反転させられ、開放されたハッチの向こうに怪物の大きな口が開いているのが見える!
「く、食われるッッ!?」
「きゃああああああッッッ!???」
ベルトが切れればハッチから落ちて真下の怪物の喉元に一直線に落下してしまう!
今からビーム・サーベルを振り回しても間に合わない!
「なにクソーーーーッッッ!!!」
ナオトは機体制御で上半身を仰け反らせる!
ブースターに取り付けられている巨大なスクリューが怪物の身体にめり込んでいく!
「今だァー!!」
足のペダルをベタ踏みし、フルスロットル!
メガロドンの身体を引き裂いていった!
血しぶきがあたりに飛び散る!