いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
「とりあえず!一回落ち着きなさい!!」
真渕先生はそう言うと、アタシをソファーに座らせた。
舞希はいまだになんとも言えない表情で俯いている。
否定も弁解もしない彼に、アタシは更に苛立った。
「とりあえず佐久良さん。お話しできますか?」
真渕先生が俯いている舞希に尋ねる。
舞希はコクンと小さく頷いた。
「喉の方は大丈夫ですか?」
真渕先生が再び尋ねる。
舞希は「はい」と答えた。
「では改めて話を続けます」
「はい」
まだこの話続くの?
ちょっとイヤなんだけど?
アタシ退場しようかな……
「あの、真渕先生アタシ仕事に戻りたいので退場させていただき……」
「ダメです。嘉齊さんはここに残ってください」
マジかよ……即答じゃん……
アタシは渋々ソファーに座り直した。