いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
「く、クビって……どう言うことですか!?」
アタシは立ち上がると、大声で反論する。
クビなんて意味わかんない!
怒鳴るアタシに、真渕先生はいたって冷静だった。
なんで、どうして、そんな冷静で入れるのよ……!
ふざけないでよ……! ようやく掴み掛けた夢なのに!
クビにされたらアタシは……!
イラストレーターになる夢も、潰えてしまうことになる。
そんなの絶対認めない……!
そんなアタシに、真渕先生は話を続けた。
「この際だから言いますが、嘉齊さん。貴方、この工房でいちばん足手纏いなんですよ」
「なっ……!?」
「たいして画力もない上、センスもない。貴方なんて居てもいなくてもいい存在なんです」
「はぁ……!?」
なによこの言われよう……!
ふざけないでよ!!