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いつか、絶望の底から救い出して…

第6章 Mの正体



「なんでそんな事言うんですか……!」


あまりの言われように、気づけばアタシは泣いていた。
涙声で訴えるアタシに、真渕先生は冷徹な目を向ける。その目からは一切の温かみが感じられない。

それが意味するものをアタシは知ってしまった……

ああ、アタシ、疎まれてたんだ……

最初から気づいていた。
でも気づかないフリしてたんだ。

知れば辛くなるから、知らないフリしてたら辛くもないから。

真渕先生は最初から才能がないアタシをこの工房に入れたくなかったんだ。

ああ、そうだったんだ……
認めてもらいたいとか思って努力しても、全部無駄だったんだ。

この人はアタシをクビにして舞希をこの工房に入れたいんだ……

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