いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
そう思った瞬間、アタシの目から光が消えた。
もう何も感じなくなれば、どれだけ楽なんだろう。
どうして私の周りはこんなヤツしか居ないんだろう。
ちゃんとアタシを認めてくれる人は誰もいない……
認めてくれてると思っていた舞希だって、本当は哀れみを向けていていた。
だから絵も褒めた。
才能ないヤツが可哀想だから。
本心はアイツだって才能がない、センスがないアタシを憐んでいた。
そして、そのアタシが苦しまないように正体を隠し、画力も落として絵も描いていた。
なんだよ……いちばんやられたくないことじゃん……
手を抜くなんて……
絵描きなら実力を出してほしかった。
それで舞希が上手い絵を描いたなら受け入れられた。
でも本当はそんなことしたらアタシが悲しむから、落胆するからそう言う思いから舞希は手を抜いていた。
それがどうしょうもないくらい悔しかった──