いつか、絶望の底から救い出して…
第7章 弱者に構うな
【舞希side】
真奈加の職場から飛び出した俺は、とある場所に向かっていた。湧き上がる怒りを抑えつつ、目的地に着くと、俺は自動ドアを蹴破るように中に入った。
「え、さ、佐久良さん……!?」
俺の突然の登場に、驚く受付けの女性。
俺は彼女に近づくと、極めて冷静に、しかし、怒りを込めた声で話した。
「すみません瀬尾さんに会いたいのですが?」
「し、少々お、お待ちください……!」
瀬尾の居場所を聞くと、受付けの女性は慌ただしくどこかへ電話をかけ始めた。
「あ、もしもし?受付ですけど佐久良舞希様が面会を希望しておりまして……はい……分かりました」
用件を伝えると、受付けの女性は瀬尾の元へと案内してくれた。
「エレベーターを乗っていただいて最上階の40階になります……」
「ありがとうございます。お手数をおかけしました」
俺は女性に一礼すると、エレベーターに乗り込んだ。