いつか、絶望の底から救い出して…
第7章 弱者に構うな
「瀬尾さん……アンタどう言うつもりだ……!」
いつもは敬語で話す瀬尾に、俺は荒々しい口調になっていた。それほどまでに俺は怒っていた。
「やぁ、来たか。待ってたよ」
瀬尾はプレジデントデスクに座りながら優雅にコーヒを飲んでいた。
その態度に、苛立ちが募る。
「どういうことですか……!なんで真奈加の職場に俺の情報をバラしたんです……!」
瀬尾は俺の怒りなど気にせず、ニヤリと笑って答えた。
「んー?佐久良君がもっと才能を伸ばせると思ったからだね。それにしてもアポ無しで部屋に乗り込んでくるなんて、随分と短気になったねぇ?」
「くっ……!」
瀬尾の舐めきった態度に、怒りを堪えきれず、拳を握りしめた。
「……ッッ!!」
本当はこのクソ野郎を殴り倒したいが、ここで暴力沙汰を起こしたら俺はクビになるどころか犯罪者として捕まるだろう。
そうなればアイツとの約束も果たせなくなる。