いつか、絶望の底から救い出して…
第7章 弱者に構うな
「……瀬尾さん、あんたが俺の才能を伸ばしてくれる事は感謝しています……!だけど、だからと言って勝手に情報を流すのはどうかと思いますよ……!」
「あぁ、それは悪かったね。でももっと才能を伸ばしてほしいんだよ。君だってその方が嬉しいだろう?」
「…………」
瀬尾は飲んでいたコーヒを机に置くと、ゆっくりと立ち上がった。
そしてこちらに歩いて来ると、俺の前で立ち止まった。
「佐久良君、君は今まで色々なものを作り続けてきた。それこそ、この世に存在しないようなものをたくさん作ってきた。でも、まだ足りない。君の力はこんなものではないはずだ」
「……瀬尾さん、アンタ一体何を……」
瀬尾は両手を広げると、まるで演説でもするかのように語り出した。