いつか、絶望の底から救い出して…
第7章 弱者に構うな
「いいかい佐久良君。君はまだ自分の力に気づいていないだけだ。だからそれを僕が伸ばしてあげてるんだよ?君は選ばれた天才だ!この世に生まれた時から既に神に愛されていた存在だ!」
「な、何言って……」
「君には無限の可能性が秘められている!これからもどんどん新しい作品を作って欲しい。そのために僕は彼女がいる工房の人間に君のことを話したんだから」
「そんな勝手な……!」
瀬尾の自分本位な考えに、怒りを通り越して呆れてしまった。
コイツはどこまで自己中心的な奴なんだ……
アンタのせいで真奈加は傷ついたんだぞ!?
「佐久良君、君は類い稀なる才能を持っている。だからこそ、僕は君に投資しているんだ。君が素晴らしい絵師にになるためにね」
「……アンタは本当にクズだな」
「褒め言葉だよ佐久良君。さて、そろそろ仕事の話に戻ろうか」
「くっ……!」