いつか、絶望の底から救い出して…
第7章 弱者に構うな
「君は誰よりも優しい。だから才能もセンスもない彼女に構ってしまう。でも、それでは君の価値は下がってしまう」
「は……?」
価値が下がるだと!?
何を言っているんだコイツは……!
言葉に詰まる俺に、瀬尾は話を続ける。
「才能のない奴に構うことは君の才能を無駄にすることになるんだ。君はもっと上を目指すべきだよ」
瀬尾が何を言っているのかわからない。
いや、分かりたくもない。
真奈加を傷つけて、居場所を奪ったに近い行為をしておいて、悪びれる様子なく、べらべらと喋るこの男に、無性に腹が立った。