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いつか、絶望の底から救い出して…

第8章 閉ざした心



いつもなら絵を描くために使っているiPad。
でも今日は別の使い方をする。
ディスプレイの下にあるアイコンをタップした。


『マーシャルパレット』


しばらくして聞こえてくる機械の声。
マーシャルパレットとはこのゲームを作った会社だ。


『プロテクトワールド』


次にゲームのタイトルが読み上げられる。
その様子をアタシは虚な目で眺めていた。

プロテクトワールド、このゲームはいわゆる音ゲーで、画面に映し出される様々な色の音符に合わせて、タイミングよくボタンを押すことでスコアを稼いでいくというものだ。
今から1年前くらいにリリースされたアプリゲームで、そのクオリティの高さとシンプルな操作性により、瞬く間に大ヒットとなった。


「久しぶりだねプロテク」


そう呟きながら画面を見つめる。
しばらく絵ばかり描いていたからプロテクの方は全然プレイしていなかった。

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