いつか、絶望の底から救い出して…
第8章 閉ざした心
アタシが不機嫌そうに聞くと、向こうから聞こえてきた声は老人のものだった。
老人であるには違いないが、どこか厳格さを感じさせるような雰囲気を纏っている。
アタシはこの声が大っ嫌いだ。
『何回も言うがお前に絵の道は向いてない。諦めて家業を継げ』
ほらまた始まった。
この人はいつもこうだ。
アタシが何かしようとする度に否定してくる。
「嫌だって言ってるじゃん!いい加減しつこいんだよ!」
『いい加減なのはお前の方だろう。もう四年以上も言っているんだぞ?』
「だからって今更辞められるわけねーだろ!それに、アンタには関係ないでしょ!?いちいちうるさいんだよ!」
感情的になってしまったアタシは叫んでしまった。