いつか、絶望の底から救い出して…
第9章 あの頃と…
それも今では壊れてしまった──
真奈加と俺はたった今、敵になってしまったのだから……
時を巻き戻すことなんてできない。
もうどうすることもできない。
真奈加とこれからどう接していけばいいのかわからない。
真奈加自身も俺の顔なんてもう見たくないだろう。
そうなれば、あの家を出なくてはならない。
三年間過ごした思い出の場所──
それを捨てることがどれだけ辛いか……
でも真奈加が望むのならそうしよう。
俺の顔を見たくないならそうしよう。
俺に選ぶ権利なんてない。
「はぁ……」
俺は小さく嘆息すると、夜空を見上げた。