いつか、絶望の底から救い出して…
第9章 あの頃と…
「ありがとう浅倉……」
俺はゆっくりと体を起こした。
倒れたからか、体が重い。
「急に起き上がったら危ないやろ?」
浅倉がゆっくりと俺の体に手を添える。
「いや、大丈夫だ」
俺はそう言うと、辺りを見渡した。
ここはどこかの仮眠室だろう。
「ここは?」
「ああ、近くにあったビルの仮眠室や」
「なるほどな」
浅倉の言葉に、俺は納得した。
俺はあの後倒れてから浅倉によって、このビルの仮眠室に運ばれたらしい。
また浅倉に借りを作ってしまったな。
なんて思いながら窓を眺めていると、浅倉が話しかけてきた。
「なぁ佐久良」
「なんだ?」
「何でお前いきなり倒れたんや?」
俺は浅倉の言葉に大きく目を見開いた。