テキストサイズ

いつか、絶望の底から救い出して…

第10章 佐久良舞希①


「話したくないんやったら無理して話さんでええ」

「……すまん……」


気を遣わさせてしまったな……
なんて思いながら俯いていると、浅倉のスマホが鳴った。


「すまん、佐久良。電話や」

「そうか、いや、ここで出てくれていいぞ」

「いや、仕事の電話かもしれへんから外出るわ」


そう言った浅倉は椅子から立ち上がると、部屋から出ていった。

パタンとドアが閉まる──

俺はベッドに寝転がった。


「ふぅ……」


息を吐きながら天井を見つめる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ