いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
これから先、自分はどうするべきなのか……
あの家にはきっと居れないだろうし、東京に帰るか……
なんて思いながら天井を眺めていると、電話が終わったのか浅倉が帰ってきた。
「おかえり浅倉」
「ああ、城戸の兄貴からや。真奈加が部屋で荒れまくってた言う電話や」
「そうか……」
その言葉に、俺は真奈加が荒れた事を知った。
城戸さんがいるなら大丈夫か……
なんて思いながら布団を眺めていると、浅倉が話しかけてきた。
「佐久良、話せる範囲で構へん。話してみてくれへんか?」
「…………」
「誰かに話す事でお前の背負ってるモンが軽くなるかもしれへん」
「…………」
「もちろん無理には聞かへん。せやけど話せる範囲で話してくれへんか?」