
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
全てが狂い始めたのは4歳の頃だった。
父さんの様子がおかしくなり始めた──
いつもは元気な父さんが最近ではよく、寝込むようになった。
大丈夫と尋ねると、父さんは笑って「大丈夫、すぐ元気になるから」と答えた。
そんな父さんに、母さんは「無理しないで」と言っていた。
俺は子供会に入れられた。
2歳から入れる子供会は、近所の子はほとんどが入っていた。
そこではさまざまな年齢の子ども達がいた。
下は2歳で、上は小学6年生までた。
だからかなり人数も多い──
