
いつか、絶望の底から救い出して…
第10章 佐久良舞希①
「おはよ〜舞希君。あ、お母さんにお父さん」
「おはよございます。園田さん」
「おはようございます園田さん。いつも息子がお世話になってます」
父さんと母さんが園田さんに挨拶をする。
「いえいえ!こちらこそ、いつも舞希君にはお世話になってます」
園田さんはにっこりと笑うと、後ろの子にドアを開けるように言った。
「悠喜(ゆうき)くん。ドア開けてくれる?」
「はーい」
スライド式のドアが開かれる。
中に乗っていた悠喜がニッコリと微笑む。
今日の悠喜の服装は、アメリカンなキャップに、文字が書かれた黒のTシャツに、ベージュの半ズボンだった。
「おはよう!舞希!」
「おはよう!悠喜!」
俺は元気よく挨拶をすると、車に乗り込んだ。
