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いつか、絶望の底から救い出して…

第10章 佐久良舞希



それから数ヶ月後、父さんの容体が一気に悪くなった。

俺たちがある日、明日、お見舞いに行こうと話していた晩、病院から電話がかかってきた。


「はい、佐久良です」


出たのは母さんだった。

『夕方に大量の吐血をして、輸血を行いましたが、間に合わない状態で、本人は意識不明の重体です今日、酸素マスクと輸液を行いました。かなり危険な状態で、いつ亡くなってもおかしくないです』

電話口から聞こえてきたのは、衝撃的な内容だった。
母さんは「はい!はい!わかりました!すぐ向かいます!」と言うと電話を切った。


「舞希!お父さんが危篤だから今から病院行くよ!」

「うん!」


俺たちは食事そっちのけで、車に乗り込んだ。
シートベルトを締め、母さんが急いで車庫から車を出す。

病院までは車で30分。
裏道を通ったら20分ぐらいで着けるだろう。


「お願い……!まだ、逝かないで……!真虎……!」


母さんは祈るような気持ちでハンドルを握っていた。


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