いつか、絶望の底から救い出して…
第2章 世間の評価
「いつまでいるんですか嘉齊さん。早く帰ってください」
「あ…!」
机の資料を片付けていた津川先生に怒られてしまった。
あぁ…帰らなきゃ…
アタシは動かない体をなんとか叱咤させると、机の上に置いてあったiPadと筆箱をカバンの中に押し込んだ。
体が鉛のように重い…
それに胃も痛い…
さっきからキリキリと締め付けるように痛い…
その上吐きそうだし…
「お、お疲れ様でした…」
アタシはそれだけ言うと、教室を後にした。
廊下を歩きながら壁を見る。
絵描き工房のアーティストの絵が飾られている。
みんな綺麗で、繊細で、美しい絵ばっかり…