いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
「お電話ありがとうございます佐久良です」
舞希はスマホを持ちながらベランダのドアを開ける。
舞希はスリッパを履くと、ベランダに出ていってしまった。そのまま片手でドアを閉める。
そのため会話の内容が聞けない。
「プロデューサーって誰なんだろう…」
なんか気になるんだよね…
プロデューサーが…
プロデューサーって言うんだから大物だよね…
舞希はなんでもできる天才だから、プロデューサーからのスカウトとか当たり前か…
「──ッッッッ!」
そう思った瞬間、チクリと胸が痛んだ。
胸が痛い…苦しい…