いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
この舞希の表情もアタシだけしか見れない。
そう思ったら嬉しくなった。
一緒に暮らしてから早三年、ようやく舞希の事を理解できて来た気がする。
舞希は熱いのが苦手な猫舌で、辛い物にはめっぽう強い事もここ最近で知った。
アタシはもっともっと、舞希を知りたし、理解したい。
まぁ照れくさいから本人の前では言わないんだけどね…
「さ、食べよう!美味しいシチュー!」
「元気がいいな真奈加は」
「えへへ〜後でMの画集一緒に見よ!」
「ああ、構わないぞ」
「やったー嬉しい〜!」
そんな雑談を交わしながら舞希が向かいのテーブルに着く。
それと同時にアタシはパンッ!と手を合わせた。
乾いた音が室内に響く。
「いただきまーす!」
「いただきます」
舞希とアタシは手を合わせると「いただきます」と言いながら熱々のシチューにスプーンを滑らせた。