いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
人参やブロッコリーと一緒にシチューを掬い上げる。
鼻腔を刺激するのはシチューのまろやかな香り。
それは食欲をそそるもので…
早速アタシはシチューが乗ったスプーンをパクッとくわえた。
口に広がるのはシチューの優しい味…
この味…優しくてまろやかでクセになりそう…!
やっぱり舞希が作る料理はサイコーだね!
ほとんどハズレがないし、舞希の料理はいつもどれでも完食してしまうくらい美味しいし。
「熱いからよく冷ましてから食べるんだぞ?」
「はーい」
舞希に言われた通り、アタシは口でシチューを冷ますと、ゆっくりと口へと運んだ。
一口、一口とシチューを口の中に入れていく。
そのたびに口内に広がるまろやかで優しい味…
思わずほっぺがとろけ落ちそうになる…
それぐらい舞希の料理は美味いのだ。