いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
背後では舞希が洗い物をしている。
アタシは画集を抱えると、さっきまでいたテーブルに座った。
「どれどれ…」
画集をテーブルに置く。
ページをゆっくりと開くと、最初に現れたのは『ポラロイド』のMVで使われていたあの絵だった。
「映像で見てたけど…生で見たら迫力全然違うなー」
画集で見る方がより、距離感や、躍動感が分かりやすい。
しかも大きく印刷されているから細部まで見れる。
「細かいところまで描き込まれてるんだね…」
「ん?」
「あ、いや〜絵って細かい部分まで描かれてるなぁ〜って思って…」
「ああ、それはそうだな。画集になったらより、細かい部分まで見られるからな。だから丁寧に描き込むんだ」
「へぇ〜そうなんだ〜ねぇねぇ舞希!この絵見てよ!」
アタシはそう言って、一枚の絵を舞希に見せる。