いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
「わ、笑う事ないだろ」
笑われた舞希はプクーッと頬を膨らませた。
その姿がフグみたいでかわいい。
普段の舞希はこんな顔しないから尚更だ。
アタシだけに見せる顔…
そう思ったらもっと揶揄いたくなった。
でもこれ以上やったら怒られそうだからやめた。
「ごめんごめん、揶揄いすぎた」
謝りながら次のページをめくる。
次のページは女の子がお菓子を食べてるイラストだった。
「コレもすごいな…猫耳パーカに足を開きながら座ってる女の子…このポーズ、パース狂いやすくて難しいんだよね…」
そう、このポーズはパースが狂いやすく、アタシも苦手とするポーズの一つ。
「でもMのパースは狂ってないし、寧ろ整っている…やっぱりすごいなこのMって人…」
「ああ、確かにすごいな。パースも崩れていない上にオリジナリティを感じる。猫耳パーカをグレーに変える事で背景よりも人物を引き立たせている」
「いや、なんて言うか…アンタ結構、的確だね」
「そうか?」
なんて言うか…舞希って絵に詳しいな…