いつか、絶望の底から救い出して…
第4章 Mの絵
一瞬にして空気が変わる──
先程の明るい空気から重苦しいものへと…
口を開くのが重い…
うまく言葉が紡げない。
何かが喉を塞いでいるような…
そんな感じがして仕方ない。
苦しい…胸が冷たくなっていく…
息が…できない…
「舞希…アタシの絵…職場でさんざん酷評された…」
「えっ?」
アタシの言葉に、舞希が大きく目を見開いた。
その様子を見て、アタシはあぁ…そうなるよなぁと納得した。
こんな表情の舞希初めて見た…
何回も言うけど、舞希は滅多に感情を露わにしない。
いつもは無表情なのだ。
そんな舞希が感情を露わにしている。
つまりそれは、本当に大切な人にしか見せない顔…
そう思ったら自分が大切にされている事が嬉しく思えた。
と同時に、そんな顔をさせいる事実に胸が痛んだ。